天空の神秘オーロラ
オーロラ完全ガイド
オーロラの知識
太陽から生まれるプラズマの風
SOLAR WIND

私たち生命にとって掛け替えのない存在である太陽。オーロラはこの太陽が放出する太陽風によって生み出されます。太陽風発生のメカニズムには、太陽の構造と太陽で起こるいくつかの太陽活動が密接に関係しています。オーロラの故郷である太陽で、いったい何が起こっているのでしょうか。

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太陽の構造

 

太陽風

  • 太陽風の流れ
オーロラガイドのコラム オーロラ完全ガイド制作スタッフ
小泉優

太陽と地球の距離は宇宙を測る単位になっている!

  • 宇宙を測る単位

    太陽から地球までの距離は約1億5000万kmであり、この距離は「1AU」という天文単位になっています。宇宙はとてつもなく広く、キロメートルで表すには大きすぎるのです。しかし、このAUという単位も、せいぜい太陽系を測る単位でしかありません。

    AUの次の単位はLY(光年)です。「1LY」は光が1年で進む距離であり、AUに換算すると、なんと約6万3241AU! それでも、太陽以外で地球から一番近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリまで4.24LYもあるのです。宇宙は想像もできないほど壮大な空間なのですね。

    • 天文単位と光年
      1AU 約1億5000万km*
      1LY 約6万3241AU

      * 正確には、149,597,870,700 m。

    • 地球からの距離
      38万4400km
      金星 3962万km
      太陽 1AU
      プロキシマ・ケンタウリ 4.24LY
      アンドロメダ銀河 254万LY

太陽風はどこまで吹いているのか?

  • ヘリオポーズと太陽圏

    いったい太陽風はどこまで達しているのでしょうか。 いくら太陽のエネルギーがすさまじいといっても、宇宙空間を無限に進むわけではありません。太陽風は地球付近で秒速300km/secから800km/secのスピードで吹いていますが、遠ざかるに連れてその圧力が徐々に下がっていきます。そして、周囲のガスと同じ圧力になった場所で太陽風の影響がゼロとなり、このゼロポイントを「ヘリオポーズ - Heliopause」と呼んでいます。また、太陽風の届く範囲を「太陽圏(ヘリオスフィア)」と呼びます。

    太陽風の届く距離であるヘリオポーズまでの距離は、約50AUから160AUと推定されています。1977年に打ち上げられたNASAの宇宙探査機ボイジャー1号が、2012年に人工物としては初めてヘリオポーズを通過したというニュースも話題になりました。果てしない宇宙の旅ですね。

 

プラズマ

  • 物質の形態と原子レベルの状態の変化
    プラズマイメージ
オーロラガイドのコラム オーロラ完全ガイド制作スタッフ
小泉優

高温のプラズマは、なぜ人工衛星などを破壊しないのか?

  • 太陽からやってくるプラズマ粒子は非常に高温のガスであり、地球を通過するころの温度は約10万度と言われています。何でも溶かしてしまうほどの高温ですが、宇宙を飛んでいる人工衛星や宇宙飛行士は大丈夫なのでしょうか。その謎は密度に隠されています。

    実は、プラズマに含まれる粒子の数は決して多くはありません。角砂糖ほどの大きさである1立方cmに5個から10個ほどしか入っていないのです。同じ体積の水に含まれる粒子の数は3.3×10の22乗、つまり「3,300,000,000,000,000,000,000,000,000,000」。数えることもできないほどの量であることを考えると、プラズマの数がどれだけ少なく、希薄かということが分かるでしょう。

    太陽風が非常に高速の時でさえ、プラズマの密度はわずか30個から50個/立法cmほどまでしか増えません。100度のお湯に手を入れたら火傷をしますが、それは膨大な数の水分子が100度の熱量を持っているためです。たとえ10万度の高温の粒子でも、密度が少なければ火傷どころか、まったく温度を感じることはないでしょう。

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